ヒミズ ~普通って何だろう?現代人の価値観をゆさぶる作品~
暗いときに、とことん暗くなりたい?
それでも明日に向かって行きたい時に見る映画
どうもメガネラッコです。
ヒミズは原作漫画のファンです。
そんな自分が今回見た映画は
「ヒミズ」
です。
■映画のざっくり内容
15才の中学生の主人公が、生まれながらの不遇にも負けず
一生懸命人並みを目指して生きている。
しかし、ひょんことから、その普通を目指すことすら
ままならない状況になってゆく、、、
■観た理由
原作のファンだから。
園子温監督もまあまあ好き。
■お勧め度
~カップル~ ★★
あまりお勧めできません。
特にデートや、気軽な気持ちでみるには
不向きといえます。
互いに原作を知っていてそれでも見たいなら
一緒にみるのもいいのではないでしょうか。
~1人~ ★★★★★
こういった作品は1人で見るに限ります。
部屋を暗くして、集中できる状態を作って
観てしまいましょう。
そして、観終わってモンモンと色々考えを
めぐらせて観るのも一興です。
~友達と~ ★★★
映画好きな友人となら見ても問題ない
のではないでしょうか。
ただ漫画原作の映画は反応が割れる可能性があります
ので、その点は要注意。
~今まで自分の環境や価値観に疑問を持たなかった人~ ★
自分の価値観などに疑問を持たない人は
観てもいまいちピントこないかもしれません。
もしくは、この作品を機に凄く考えてしまうかもしれません。
■メガネラッコ的ポイント
・主役の2人の演技力!
・夜野の原作からの変わりっぷり
・相変わらず怖いよ、でんでん
・原作からの変更点
・ラストシーン
■所感 ※以下ネタばれ含みます。
漫画を初めて読んだときからこの作品のファンでした。
なので映画化が決まったときは複雑な気持ちだったのを覚えています。
ただ、この作品に関してはがっかりすることはありませんでした。
原作からしっかり要素を絞って描かれています。
原作には様々はキャラクターやエピソードがあり
その対比として主人公の価値観や境遇が描かれているのですが、
その点についてはうまく最小限であらわされていると思います。
この映画は、製作中に、震災が起こり脚本を書き直したということですが、
その点はラストシーンを見ていただければ分かると思います。
原作では自ら命を絶った主人公。
しかし、この映画のラストでは
主人公とヒロインが
それでも生きてやる!
と言わんばかりに
カメラに向かって走るシーンで〆られています。
震災を経験し、取り込んだことで
映画のヒミズは漫画のそれとは根本的に
何かが変わっていると思います。
それが悪いとは思いません。
この公開されたタイミングで
漫画の原作どおりのラストでは
あまりにも救いがない。
この時代に必要な映画にしっかり変わっていると思います。
これは漫画のヒミズとは別のヒミズ
主役2人の演技もあり、
なにより、震災を経験している自分も含めて、見る側にも考えさせる内容から
ヒミズは素晴しい作品になっていると思わずにいられません。
そんな希望を感じられる作品であるとともに
時代によって物語りの解釈や、見せ方は変わってゆくもの
ということをまざまざと感じた作品でした。
んじゃ、また。