マジカル・ガール ~余りに尖り過ぎた人間の負の連鎖を感じる作品~
海外作品なのに日本的?
古きよき日本映画の気配と退廃的なスートーリー
どうもメガネラッコです。
ミニシアター系も時々見に行きます。
そんな自分が今回紹介する映画は
「マジカル・ガール」
です。
■映画のざっくり内容
病気で余命残りわずかの少女の父親。
彼は彼女の願いを少しでも叶えてやろうとする。
それは、彼女が大好きなアニメの衣装を着せてやること。
ただ、その衣装はあまりに高価だった。
失業中の父は金策に困り果て、強盗にまで及ぼうとするが
、その寸前突然上空から吐瀉物が落ちてくる。
その吐瀉物の持ち主である、人妻とその人妻の昔の教師を巻き込み
負の連鎖が始まる、、、。
■観た理由
タイトルとあらすじに惹かれたから。
たまには単館系でじっくり考えたかったから。
■お勧め度
~カップル~ ★★
あまりお勧めできません。
特にデートや、気軽な気持ちでみるには
不向きといえます。
話がとにかく不幸な方向に進みます。
観終わって暗い気持ちで2人してぼんやりしたければOKです。
~1人~ ★★★★
1人で見るのに特に問題の無い作品です。
部屋を暗くして、集中できる状態を作って
観てしまいましょう。
そして、観終わってモンモンと色々考えを
めぐらせて観るのも一興です。
~友達と~ ★★
個人的にはお勧めできません。
観終わったときに何について語れるか?
という点でもあまり友人との鑑賞には向かないかもしれません。
ただ、映画が好きなもの同士であれば、あれやこれやと
話せるかもしれません。
~古きよき日本映画、江戸川乱歩好きな人~ ★★★★
作品の雰囲気、間のとりかた、そして劇中歌など
古きよき日本映画好きの方
特に江戸川乱歩好きな人にはお勧めです。
なぜ、この映画の監督が海外の人なんだ!と驚くやも。
■メガネラッコ的ポイント
・静かな不幸の展開
・劇中歌のインパクト
・昔の日本映画を観ているようなスピード観と話運び
・不幸から垣間見える人と人のすれ違い
・変質的な教師のキャラクター
■所感 ※以下ネタばれ含みます。
タイトルから想像する話とは大きくかけ離れている内容でした。
まさかここまで淡々と不幸が連鎖していく様を
直接的に出なく、あくまで世間の歪みのように見せていく
その手法に個人的には感銘を受けました。
不幸なものをダイレクトに見せない怖さ
何か行き詰まった人々の焦燥
観ているとそういった冷たいものを
脈々と感じました。
結果としては、想像した内容とは異なりましたが
満足いく作品でした。
ただ、もう一度見たいか?
と聞かれると、現時点ではノーです。
それは話の展開にこそ、この映画の魅力は隠されている
ように自分は思います。
話の展開を把握した今、あのドキドキを味わうのは難しいでしょう。
不幸が連鎖していく様を静かに見つめている。
そこにはこの先起こるであろう事への期待が
無くてはならない要素だったように思います。
もちろん、演出や映像的な意味で言えば見直せば
あらたな発見はあるかもしれませんが
現段階ではそこまでのモチベーションを自分はもてそうにありません。
何か不幸があったときに観たくなるかも、しれませんが、、、
んじゃ、また。