怒り 〜人と人との壁の正体を縁取る映画~
他人との超えることのできない壁、
行き場のない感情を群像劇で描く映画
どうもメガネラッコです。
怒るといえば「12人の怒れる男」です。
そんな自分が今回紹介する映画は
「怒り」
です。
■映画のざっくり内容
住宅街に住む夫婦が殺された。
その現場には「怒」の文字が残されていた。
数年後、まだ犯人は捕まらないままでいた。
そんな中、東京、千葉、沖縄で素性の知れない男3人との
その周りを取り巻く環境が描かれていく。
彼らの中に、例の事件の犯人はいるのか?
3組の関係はどう変化していくのか、、、、
■観た理由
予告編をみてからずっと気になっていた作品。
しかし、内容が重たそうなので中々見に行けていなかったが
公開終了する前にスクリーンで見ておきたいと思い鑑賞。
■お勧め度
~カップル~ ★★★
人を信じる、ということを深く考えれる作品です。
こういったメッセージ性の強い作品をみて
楽しめるカップルならアリでしょう。
ただ、気持ちが少し暗くなる覚悟は必要です。
~1人~ ★★★★
何をもって他者とつながっているのか?
信用しているのか?など色々と考えさせられます。
なのでそういったことを考えたい、意識してみたい時には
うってつけの作品です。
見終わって独りでボーっと物思いにふけるのも一興です。
~友達と~ ★★★
明るい気持ちで終われないと思います。
ただ、こういった作品を一緒に見てくれる
友達がいるとすれば、おすすめします。
二人で映画から感じたことを語り合える中なら
是非一緒に見ていいかと思います。
~とりあえず何も考えずにエンタメを楽しみたい人~ ★
序盤から重たいです。
期待しているようなエンタメ要素は皆無なのでおすすめしません。
見終わって嫌でも様々なことを考えてしまうので
気分がのったら見てみましょう。
■メガネラッコ的ポイント
・役者たちが豪華
・不安定でリアルな登場人物たち
・群像劇なのにまとまりのいい話の運び
想像通りの重厚な人間ドラマでした。
思ったよりも事件そのものの真相に対しての要素
つまり、誰が犯人なのか?ということが
重要視されていない印象でした。
もちろん、見る際にその点を意識することで
各男達の見方が変わったりしますし
展開を楽しむこともできます。
ただ、この映画が本当に描いているのは
人が誰かを信頼するとき、それが揺らいだ瞬間。
さらにはその変化から生まれるような
行き場のない感情、「怒り」そのものです。
個人的には犯人が誰なのか?という謎解きモードは
ほぼなく見ていたのですが、それでもあっという間に感じました。
ただ、感情の爆発の描き方が少し一辺倒な気がしたのですが
他の描き方が自分もあまり浮かばなかったので仕方ないかと思います。
どうしようもない気持ちが溢れたとき
人はやはり叫ぶんですかねー
あと性的な描写多めなので苦手な人は控えたほうがいいかもです
■所感 ※以下ネタばれ含みます。
この映画に犯人捜しの要素が入っていることは
エンタメとしては良い要素だったと思います。
一方で、そういった要素が色濃くなくても
十分な作品になったと思います。
ただ、それだといわゆる暗い、地味な日本映画に
なったのかもしれません。
犯人は誰なの?というキャッチさがあることで
普段は重厚な映画を見ない人にもリーチできそう
と思ったのですが宣伝などからすると
結果重厚さが前に出過ぎているように思います。
しかし結果としては
出てくる事件一つ一つ重た過ぎて
くらくらします。
殺人事件
売春
病
強姦
これでもかってくらい
胸糞悪くなる要素が入ってますね。
もちろんこう言った要素は映画では
テーマをより強く描いたり印象的にするには
効果的だと思います。
ただこの映画のテーマをやるのにここまでの
要素が本当に必要だったのか?
というのは少し疑問でした。
特に沖縄の件はなんで米兵である必要があるのか?
あるしゅ思想的なものを少し感じて
個人的には過食気味でした。
デモを見ている二人の若者のセリフを言わせたかったから
なのかもしれませんが。
変わることをあきらめている
うーん、もう1回くらい見ないと整理しきれない映画ですね。
んじゃ、また。