メガネラッコの反芻キネマ

どうもメガネラッコです。ご覧いただきありがとうございます。基本的には最近みた映画について、上映中、レンタルなど関係なく感想や自分なりの分析など徒然と書いてます。

湯を沸かすほどの熱い愛 〜延命ものの皮をかぶって無償の愛を描いた映画~

母性や親子愛は無償で与えられるものなのか?
という事を改めて考えさせられる良作

 

 

どうもメガネラッコです。

余命物映画は少し苦手です。

 

そんな自分が今回紹介する映画は

「湯を沸かすほどの熱い愛」

 

atsui-ai.com


です。

 

■映画のざっくり内容

1年前に夫が蒸発した妻。

それ以来家族で経営していた銭湯も休業中。

娘が学校で問題を抱えているなか
妻はパート先で倒れる。

癌が全身に転移し余命いくばくも無い状態だと知る。

彼女は娘のためにも、いなくなった夫の捜索を探偵に依頼したが

あっけなく見つかる。

夫には病気のことをうちあけつつ、彼女が死ぬまでの間いかに

生きていくかが描かれていく、、、

 

 

■観た理由

予告編をみてなんとなく気になっていた。

娘のイジメ問題など様々なことに

どのようにむかっていくのかが気になったから。

 

■お勧め度

~カップル~  ★★★★

好きな人がいる方には是非見てもらいたい映画です。

泣けるだけでなく、随所にユーモアもあるので

見終わってもそこまで暗くなることもないと思います。

 

 

 

~1人~    ★★★★

独りでみても問題のない映画です。

映画館でも客層は年齢高めなので特に気にならないのでは

ないでしょうか。

人の目を気にせずじっくりと映画と向かい合えるので

自分も一人でみました。

 

 

~友達と~   ★★★

この手の作品は友達を見に行って

そのあとどんな会話が繰り広げられるのか、、、

楽しむだけならほかの作品のほうがいいかもしれません。

仲のいい友達であれば、見終わったとに互いの感想を

話し合うのもよいでしょう。

 

 

 

~どん底まで暗くなりたい、落ち込みたい人~  

この手の映画を泣くために、落ちるところまで気持ちを落とすために

みたいという人もいるかと思いますが、この映画は向かないかと思います。

決して明るい話ではないと思いますが、見終わって暗い気持ちになる

落ち込むような映画ではないと思います。

 

 

 

 

■メガネラッコ的ポイント

・出ている役者陣全員しっくりきた

杉咲花の演技に見ごたえあり!

・丁寧に綿密につくられた脚本

・泣くだけでなく、笑える、フフッとなるユーモアも沢山

 

 

 

何というか、完全にやられました。

最後に向かって山場が来て泣くかなー

くらいに思って見に行ったのですが

気が付いたら泣かされっぱなしだったように思います。

 

余命物映画にある、余命をしってから如何に生きるか?

という事がテーマなのかなー

と思っていました。

 

もちろんその要素もあると思いますが

自分としては、愛情、というもの

取り分け無償の愛について考えさせれられる

映画でした。



脚本も素晴らしく、話が進むにしたがって

色々なセリフがボディーブローのように

効いてきます。

出ている役者さんたちも素晴らしく、

宮沢りえ流石、

杉咲花、すげえ

子役の子もいいぞ!

 

と非常に満足度の高い映画でした。

 

今年人に薦めたい映画の一つになったので

ご興味のあるかたは是非見に行ってほしいですね。

 

 

 

■所感   ※以下ネタばれ含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうね、泣きますよこんな素晴らしい映画見てしまったら!

 

見終わって感じたのが脚本のすばらしさ。

本当に様々は要素が後半から最後にむかって

効いてきます。

 

なぜ、こんな言い方したんだろ?とか

何故このエピソードあったの?

というものがどんどん回収されていきます。

 

特に宮沢りえ演じるお母ちゃんの過去と

娘との関係を知ったときには

正直震えました。

 

 

見ていた前提がひっくりかえります。

母親だから、ああなんだろうと思っていたものが

全部ひっくり返る。

 

 

なのでそこから、母親とはなんだろか?

実子を見捨てる母親

実の子でない子に全力の愛を注ぐ母親

 

母親が子供に向ける愛情は無償の愛である

と思われがちですが、そんな考えを吹き飛ばす

内容だったと思います。

 

作中でもたしか語られていますが

あの人については何とかしてあげたいっと思ってしまう

それは、それ以上にその人に自分がしてもらっているからだ、と。

 

つまりみんな宮沢りえ演じるおかあちゃんに愛されている

良くしてもらっているから、何かをしてあげたくなるんだと。

 

では、お母ちゃんはどうなのか?
実の母に捨てられ、最後も裏切られ

そんな彼女が何故、娘や周りの人にあそこまでできるのか?

 

自分が思うに彼女も周りからたくさん愛情をもらって、

それを感じられる人だったからではないでしょうか?

 

だから本人がどう思っているかは別として

無償の愛というのは無く、

そう思えるような愛を捧げる人も、きっと周りからたくさんの愛情を

もらっている。

無償の愛を与える人は、

普通の人が忘れたり、感じないようなところに愛情を感じられる

素敵な人なんだろうなと。

 

改めて考えさせられる映画でした。

 

 

んじゃ、また。